2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

道を求める意思(『三教指帰 性霊集』より)

一昨日の歩数は5171歩でした。今日は日本古典文学大系71番『三教指帰 性霊集』から「三教指帰」です。作者は空海です。 ぐうたら息子に、儒教の先生、道教の先生、最後に仏教の先生が教えを授けるという内容かと思います。作者は空海なので、結局仏教の人が…

ラブコメの源流ってどこなんだろう(『春色梅児誉美』より)

昨日の歩数は5664歩でした。今日は日本古典文学大系64番の『春色梅児誉美』です。江戸時代の人情本です。あらすじですが、丹次郎という男が実家を悪者に乗っ取られ、苦しい暮らしをしています。そこに、芸者お米という女の人が丹次郎と恋仲になり、貢ぎます…

言葉のタフさと、高校生の文法の学習(松尾聡『古文解釈のための国文法入門』より)

松尾聡『古文解釈のための国文法入門』(筑摩書房、2019年)に目を通しました。高校生に文法を教えるにはどうすればいいのでしょうか。ぶっちゃけ、私も文法を全然分かっていないのに… この本を見てつくづく感じたことは、言葉がどれだけタフに使われてきた…

音と思い出(『源氏物語四』より)

昨日の歩数は4517歩でした。今日は日本古典文学大系17番『源氏物語四』から「鈴虫」を読みます。源氏が、色々あって(本当に色々あって)出家した妻(元妻?だいぶ年下)の女三宮のもとを訪ねていきます。時は秋、八月十五夜の夕暮れです。 十五夜の月の、ま…

旅は道連れ、世は情け(でもスマホに聞く)(『東海道中膝栗毛』より)

昨日の歩数は7862歩でした。今日は日本古典文学大系62番の『東海道中膝栗毛』を読みます。江戸時代の本です。二人の人物が旅をしていきます。旅の出来事って、何故あんなに面白いのでしょう。主人公の一人弥次郎兵衛がかご(二人が駕籠を担いで人を運ぶもの…

雨が降ったら、帰る!(『芭蕉句集』より)

昨日の歩数は16945歩でした。今日は日本古典文学大系45番の『芭蕉句集』です。 雨降ければ草履の尻折てかへらん山桜 雨が降って来たので、「草履の尻を折って」帰ろう。雨で散ってしまう桜も折っていこう。というような意味かと思います。 草履の尻を折ると…

そわそわ雨の不思議(『古代歌謡集』より)

昨日の歩数は5303歩でした。今日は「日本古典文学大系」3番の『古代歌謡集』の「催馬楽」です。平安時代の歌謡です。 婦(いも)が門(かど) 夫(せな)が門(かど) 行き過ぎかねてや 我が行かば 肱笠(ひぢがさ)の 肱笠の 雨もや降(ふ)らなむ 郭公(し…

春はぼんやり(新古今和歌集』より)

昨日の歩数は7128歩でした。今日は日本古典文学大系28番の『新古今和歌集』を読みます。 いま桜さきぬと見えてうす曇り 春にかすめる世のけしき哉(春歌上・式子内親王) いつも春は忙しくて、ぼんやりとしてしまいます。記憶が断片的で、妙に覚えてることが…

生き生きとしたキャラクター(『風来山人集』より)

一昨日の歩数は4855歩でした。今日は日本古典文学大系55番の『風来山人集』を読みます。帯には「あまりに特異な才能ゆえに世に容れられず数奇な運命を辿った平賀源内の作品集!」とあります。その中から「根南志具佐」(根なし草)という、源内が書いた江戸…

文字にするこわさと、それが育むもの

昨日の歩数は8396歩でした。今日は日本古典文学大系96番の『近世随想集』から「ひとりね」を読みます。帯には「新しい文学史的視点じゃら選ばれた江戸時代の代表的随筆四篇!」とあります。 まず、作者の古典を読んだ跡を見て楽しく思えた個所があります。 …

「待ち遠しい」が待ち遠しい(『万葉集 四』より)

昨日の歩数は11107歩でした。今日は日本古典文学大系7番の『万葉集 四』です。『万葉集』は奈良時代の歌集です。その中で、ホトトギスを詠む歌が目につきました。 霍公鳥(ほととぎす)を詠む歌二首 橘は 常花(とこはな)にもが 霍公鳥 住むと來鳴(きな)…

遠のく奇跡と変わる現実(『日本書紀 下』より)

昨日の歩数は9668歩でした。今日は日本古典文学大系68番の『日本書紀 下』を読みます。 聖徳太子の説話が目に留まりました。『日本書紀』の推古天皇の条の中には、いくつも有名なエピソードが書いてあります。 皇后【聖徳太子の母】、懷姙開胎(みこあれま)…

国語のゲームブック(『プルーストとイカー読書は脳をどのように変えるのか?』より)

メアリアン・ウルフ『プルーストとイカー読書は脳をどのように変えるのか?』(小林淳子訳、インターシフト、2008年)という本の中で、「マタイ効果」という言葉が出てきました。 「読字学者キース・スタノヴィッチは、豊かな者はいっそう豊かになり、貧しい…

舗装された道の先(「蘭東事始」から)

昨日の歩数は18995歩でした。今日は日本古典文学大系95番の『戴恩記 折たく柴の記 蘭東事始』から「蘭東事始」を読みます。帯には「日本の古典の中で特異な光彩を放つ自伝文学の傑作!」とあります。「蘭東事始」は近世の杉田玄白の自伝です。 杉田玄白たち…

論理を越える「芸の力」(『謡曲集上』より)

昨日の歩数は16842歩でした。今日は「日本古典文学大系」42番の『謡曲集上』から狂言「末広がり」を読みます。帯には「簡素雄勁な演技による、古雅な笑いの舞台芸術!」とあります。狂言は中世の舞台芸術です。 時:中世 登場人物:果報者(主人)、太郎冠者…

因果ってなんだろう?(『日本霊異記』より)

昨日の歩数が4470歩だったので(ガラケーが教えてくれました)今日は岩波書店「日本古典文学大系」70番の『日本霊異記』です。帯には「古代の民衆の哀歓を生々と語る百十余の多彩な説話群!」とあります。平安初期の仏教説話集です。今日はその上巻を読みま…

恋はいつでもハリケーン(『西鶴集上』から)

今日は岩波書店「日本古典文学大系」47番「西鶴集上」から「好色五人女」巻一です。帯には「人間の官能を大胆率直にうたいあげた古典 芭蕉・近松と並び立つ日本文学史の巨峰!」とあります。 いつ:江戸時代 どこで:播州室津(兵庫県) だれが:清十郎、…

長い時間の話(『平安鎌倉私家集』から)

今日読むのは岩波書店「日本古典文学大系」八十番の、『平安鎌倉私家集』です。帯には「やがて新古今に結実する絢爛多彩な個人歌集の数かず!」と書いてあります。その中の「好忠集」の中にこのような歌があります。 我見ても春はへぬるをなよ竹のそれよりさ…