2022-01-01から1年間の記事一覧

飛行機よりもタケコプター?(J・G・フレイザー『初版 金枝篇 上』

フレイザーの『金枝篇』(19世紀末から20世紀の人類学の本)を10分だけ読みました。昔の人にとって、神の力を得たと考えられた人は「奇跡」を起こす人物であったと書かれていました。そしてその人が起こす(と考えられていたこと)が自然の法則と異なること…

スティーブ・ジョブズの言葉を知っていたから(『曽我物語』)

『曽我物語』巻七「千草の花見し事」を十分だけ読みました。時は鎌倉時代、兄弟が親の仇討ちにこれから向かうという場面です。その仇討ちが成功した場合にも、その罪で私たち兄弟は殺されてしまうだろう、ということを考えながら、庭に咲く植物を見て、それ…

籠の中の鳥(『源氏物語』紫上)

『源氏物語』「紫上」の一部を5分ほど読みました。紫の上は源氏物語のヒロインの一人です。篭に捕らえて飼っていた雀の子を別の子どもに逃がされて泣いているのが彼女の第一声でした。ざっくりと言って、女性の自立が今よりも難しかった上に、源氏に振り回…

「なぜ私はここにいるんでしょう」(村上春樹『猫を棄てる 父親について語るとき』)

60歳を過ぎてから親の過去について振り返られておりました。この本を読んで、「なぜここに私がいるのだろう。」ということを考えました。もう少し詳しく言うと、「なぜ父と母は出会ったのだろう」ということです。 私の父から聞いた話によると、私のひいおじ…

静かに暮らしたい(土門拳『古寺を訪ねて 京・洛北から宇治へ』)

西芳寺(苔寺)に関わりある夢窓禅師について、植物に近い人間であったと紹介されていた。そしてその植物的な境地と関わりがあるのだとして、美しい苔の写真が載せられていた。自分を小さくして、その上に丸まって暮らしたいと思うくらいに美しかった。 植物…

感覚が違うわたしたち(九鬼周造『偶然性の問題』余滴)

視覚が不自由になった場合、私たちは眠りについたときに、どのような夢を見るのでしょうか。『偶然性の問題』には「聴覚的内容が多い」と書いてありました。 それはどのような感覚なのでしょうか。夢で見る事は、起きている間に見たことについての反復に基づ…

私を私たらしめているもの(九鬼周造『偶然性の問題』余滴)

私を構成するものの中で「私らしいもの」と「そうではないもの」をどのように分けたら良いのでしょうか。たとえば私は文章を書くのに、キングジム社のポメラを使っています。文章を書く機能だけ持たされたワープロです。これは私らしいのか、それともこれが…

雪について書き続けたらどうなるのだろう(森重敏著『日本文法通論』 からの余滴)

大学一年生の頃、雪について考え続けたときがありました。私の住んでいる地域にはあまり雪が降っていなかったのですが、その時には久しぶりに雪が降りました。当時はまだレインブーツを持って居ませんでしたので、「雪って意外と靴が濡れるんだなあ、まだ1時…

傷つけられたときの対策 

こんにちは。 人との関わりは大切ですが、うっかり関わると相手の言葉に傷つけられることがあります。(自分の言葉が相手を傷つけることがあります。)私は、思い出すたびにいらっとして、どうしようもない気分になる時があります。そういう時って、皆さんは…

アニメ『平家物語』が面白かった。(第1話の感想)

タイトルのまんまの感想です。アニメ『平家物語』が始まりました。楽しみでした。そして実際に第一話を見てみました。面白かったです。面白かった点を二点挙げます。 1声とアニメーション アニメーションを見て、声と絵がいいなあ、と思いました。当たり前…

言葉で相手を傷つけてしまったときに考えること

言霊には気をつけよう、そう思ったので書きます。特にその悪い側面についてです。 日常生活の中でふとした拍子に相手を言葉で傷つけてしまうことがあるかと思います。「余計なことを言ってしまった」と思うときです。その言葉がどう働くことになるか、そうい…