難しい本を読む方法について最近考えたこと

久しぶりの更新になります。最近の気づきを一つ。 

 今、あなたが読書をしているとします。「なんのためにその本を読んでいるんですか?」と聞かれたら、どのように答えるでしょうか。「教養を深めるため」「試験に合格するため」「周りとの話題作りのため」「知識を深めるため」色々な答えが返ってくるかと思います。その中にあって、
「楽しいから読んでいます。」とお答えになった方に提案したい読み方がある、というお話になります。

 

 目的を伴った読書には効率が求められます。極論、文字の形で読む必要もないでしょう。(個人的には図が入っている方が頭に入りやすいです。)娯楽はそれとは違って、無目的なものになります。漫画にアニメ、ゲームに映画といった、さまざまな形があります。


 では、そのなかにあって、「読書」が持つ特徴は何でしょうか。その一つに、「文字を読む」ことに重点が置かれているという点が挙げられるでしょう。例えば漫画では、絵が重要な要素としてあります。その結果、文字だけでなく絵から、状況や登場人物の心情を読み取ることになります。それに対して「読書」の場合は、ほぼ言葉を介してそれを行うことになります。(個人的には漫画の方が分かりやすいです。)


 それぞれ短所と長所があるかと思いますが、「文字」を使った表現形式の長所のみを二点述べたいと思います。第一に、「言葉の量が多い」ということです。「言葉」は「心」と結びつきます。なぜなら「心」は「言葉」を介してはっきりと意識されるようになるものだからです。結果として、「言葉」を費やすことで空間や時間を越えて繊細微妙な心理に到達することができます。漫画の台詞も私は大好きですが、「言葉」に軸足を置いた小説の方がこの傾向は強いでしょう。
 第二に、「言葉」は「音」とも結びつきます。故に、その「音」を使って表現される世界が出現するということになります。
 以上の点を踏まえまして、最近気づいた読み方が以下になります。それは、
  

  音読(するようなスピード)で読む

という読み方です。基本的な方法は読んで字の如くになりますので、ここでは実践してみて気づいた良い点を箇条書きにします。
ゆっくり読むことが出来る。特に、人に説明するような気持ちで読むことが出来る。


理解しやすくなり、丁寧に読むことが出来る。
 また、焦って読む必要がなくなるため、難しい内容の本にも腰を据えて読む態度が自然とできあがる。
 また、自分で話す速度で読むことで、相づちを挟む余裕が生まれる。(自分で考える時間が増える)
②文章が持つ音を楽しむことが出来る。
これらはそれぞれ大事な点なので、後に別の記事で考えてみたいと思います。
 なお、家の外で音読することは社会的に恥ずかしいという場合は、耳栓などで無音に近づけ、外の音をシャットアウトすることで、それに近い効果を得られるように感じます。この点は、個人差もあるかと思いますし、研究中なのですが、一案として。)
 デメリットとして、「効率」が落ちるという点があります。その点については、「この本を早く読む必要がないので」「趣味でやってるので」とお答えするしかないかと思います。しかし、例えば一日十分無目的な時間を持ち、空間や時間を越えて作者と対話をするように本を読んでいく。腰を据えて読むことで生まれる「特定の視点」に息抜きの時間を使って戻り、そこから「効率」が求められる日常に帰って行く。その往復の中から得られる物が多々あると感じます。その点についてもどこかで詳しく書いてみたいと思います。
 以上、「無目的に」「ゆっくり」「音読するように」読むという読書法の紹介でした。この記事を読んで、「音読っていつ以来だっけ」と思われた方、ぜひ一度試してみてください。お付き合いいただきありがとうございました。