「立つ」「座る」という「スポーツ」

今週のお題「好きなスポーツ」

私は古典芸能(能楽)のサークルに所属していました。舞台の上に立ち、謡に合わせて舞うという活動内容です。その時に知ったのですが、立つこと、歩くことという日常の何気ない行動にも様々なコツがあるみたいです。(特に「美しく」という主観が絡むと)その中で立つことについて、気づいたことを述べます。

まず普通に立っていただいて。立った時に足元を見るとどうなっているでしょうか。「どうなっているでしょうかと言われても何が?」と思われると思います。例えば、つま先の向き。また例えば、踵の離れ方です。私が習ったのは、つま先の向きは親指が平行になるように、踵はあまり離さず、せいぜい拳一個分にするという事です。(余談ですが、椅子に座っているときも同じことを私は意識しています。)

そのように足元を調整していただいて、どうでしょうか。(何が?)次は、自分の体の重みがどこにかかっているかということです。前にかけるのか、それとも後ろにかけるのか。どちらが気持ちいいでしょうか。

私が習ったのは、自分の両方の親指の付け根に体重がかかるようにするとのことでした。

そういう風に前に体重をかけると、自分の骨盤に骨盤より上の部分の体の重みがかかって来る感覚があります。すると下腹のあたりに軽く力が入ります。ここから少し駆け足で言うと、肋骨が上に移動し、肩が下がって首が伸び、肩甲骨が寄せられ、自分の重たい頭がふわりとそこに乗る(顎だけは少し引きます)と、そこそこ美しい姿勢になります。

座っているときもほぼ同じです。(背もたれは使わないようになります)

 

そのように日常生活の中で意識すると、肩こりなどの問題が緩和されます。(もちろん、ずっと同じ姿勢でいると疲れますが)そして、自分の姿勢をずっと意識することは思ったよりエネルギーを使います。特にお腹に力を加えるので、何もしなくても若干引き締まります。なかなか運動の時間が取れない方は、「立つ」「座る」といった必ず行う動作の意識を少しだけ変えてみてはいかがでしょうか。

また、それをしてみて分かったことは、自分の体は少しずつつながっていて、それらが連動することで一つの動きが成り立っているということです。そういう目でスポーツを見ると、その動きの美しさと合理性がより意識されます。その第一歩目としても、「立つこと」「座ること」はおすすめかもしれません。