今の数学の学習法(『現代論理学』より)

安井邦夫『現代論理学』(世界思想社、1991年)をちらっと見ました。久しぶりに、数Ⅲの教科書を初めて開いた時の気分を思い出すことが出来ました。ちんぷんかんぷんでした。


定理があって、証明があって、例があって…の繰り返しが全体の体系を作っていって、その集合が一つの単元を作っていって、単元同士がまたつながっていて…という構造になっていたように思います。ちんぷんかんぷんでしたが…


内容を知っている、教える側の人間から見れば、「定理1→定理2→定理3…」というような「チャート」が頭に入っているのではないでしょうか。しかし、初めて学ぶ人からすれば、目の前の定理と例の関係で精いっぱいなのかもしれません。そして今度は次の定理、次の定理…と授業が進んでいきます。結局定理と定理の関係が分かるようになり、頭の中に「チャート」が出来るのは、どのようにして出来ていくのでしょう。それが出来なければ、結局よくわからないということにもなりますし、定理の証明に目を無得ることが出来るのはいつなのでしょう。


高校生が数学を解く時は、目の前の問題集に夢中になります。問題を解いていくうちに、問題同士の関係を整理していくのかもしれません。すこし話が飛びますが、これは読解力を介さない学習法の工夫なのかもしれないなあ、と思いました。

 

しかしこういう本を読むには、学び方をシフトをしなければならないんだろうな、と思いました。そのシフトがどのようなものかは、また考えたいと思います。