アニメ『平家物語』が面白かった。(第1話の感想)

タイトルのまんまの感想です。
アニメ『平家物語』が始まりました。楽しみでした。そして実際に第一話を見てみました。面白かったです。面白かった点を二点挙げます。

 

1声とアニメーション
 アニメーションを見て、声と絵がいいなあ、と思いました。当たり前すぎる感想です。文字で書かれた『平家物語』を読む時の感覚と比較して気づいた点を挙げます。
 文字を読む時は自分の頭の中で自分の声を再生します。それも『平家物語』の場合、古文を再生することになります。
 それに対してアニメーションの場合、現代文で、しかも声優さんの声で再生されます。自分で読む時よりも、正直、面白い。(脱帽です)それに加えて絵が付きます。分かりやすい。(綺麗です。)見ているだけで楽しい。
 例えば宴会の場面など、席の配置などの雰囲気はどうしても本からは伝わりません。(一応本によっては後ろに図が付いていたりしますが)また自然物に寓意が持たれる時がありますが、その自然物に日ごろから親しんでいないと、本を読んでいてもいまいちイメージが出来ません。それで画像を検索したり、実際に見に行ったりするのですが、アニメーションだと絵だけで説得力があります。(沙羅双樹の花は綺麗でしたね)

 

2原文の取り入れ方
 原文を、筑前琵琶の語りのように節をつけて読んでいました。ここにとても感心しました。
 第一に良いと思った点は、場面の選び方です。『平家物語』を読んでいて正直、面白いと思う部分(エピソード)と、それ以外の部分(名前を羅列していくところなど)があるように、正直、若干、感じなくもないところがあります。なのでまずは抜粋して読むのが良いかと思っていましたが、このアニメの場合は自然にそれが出来ています。原文に触れてもらえるのがうれしいところもあります。
 第二に、それに節(メロディー)と琵琶の伴奏、そして絵が付いているのが良いです。筑前琵琶など、琵琶の語りは現在も聞くことが出来ます。それもとても良いのですが、正直話を分かっていないとしんどい部分があります。メロディーが付くことで言葉が聞きにくくなり、また全体像が分からないことで不安になります。しかしこのアニメの場合は絵が付くので、その心配が要りません。そして原文の部分が短い。初めて『平家物語』に触れる時には、これは大事だと思われます。(とくに最近は)

 

以上、とりとめのない第一話の感想でした。大満足です。そして新しいキャラクターの視点で書いているのもいいです。未来を見ることが出来る琵琶と、話を知っている視聴者の視点は一致するのでしょう。だからこそ感じる命の儚さを、すでに予兆として感じる、第一話でした。楽しみです。